2019年10月の消費税増税により景気が悪化していた中,2020年3月,新型コロナウィルスのパンデミックが発生しました。これにより飲食業・イベント業・観光業を始めとした多くの業界で営業自粛の動きが広がり,2020年4月現在,経済環境が急速に悪化しつつあります。経営体力のない中小企業はあっという間に運転資金が枯渇し,従業員に対し休業を命じたり,場合によってはリストラやむなしといった状況であり,個人事業主は大幅に売り上げが売上が減少し,非正規雇用の雇止めが相次いでいます。
これに対し,肝心の日本政府は,財政難もあってどうにも動きが遅く,経営難の中小企業や生活に困窮した個人に対するフォローが十分になされているとはいえません。
2020年4月には東京・神奈川・埼玉などに緊急事態宣言が発令されました。しかし,未だ新型コロナウィルスの終息は見えず,現状,極度に悪化してしまった経済環境がいつ好転するか全くわからない状況です。
将来,新型コロナウイルスが終息したとしても,もともと日本はコロナ前から不景気が始まりかけていましたから,すぐに消費税増税前の経済環境にまで元通りになることは到底望めません。今後も当分の間は厳しい不景気が続くものと覚悟しなければなりません。
そうした中,中小企業に対しては日本政策金融公庫や制度融資による緊急融資が始まっていますが,緊急融資は結局は借金であり,今後経常利益が生じなければ借金の返済はできません。いつ業績が回復するか見通しが立たない現状では,緊急融資は問題の拡大先送りにしかならないのが実情です。
もともと,運転資金を1〜2カ月しか持たない中小企業は少なくない実情があります。売上が3カ月立たないとなれば,資金繰りに窮することは明らかで,何もしなければ倒産するほかありません。従業員を休業させ給料支払いを減らしたとしても,家賃などの日々の固定費がかかります。融資で乗り切るか,売上の拡大を目指すか,いっそのこと廃業するか,経営者には厳しい判断が求められます。将来の売り上げ拡大の見込みが乏しいならば,将来の借金の返済や今後の事業の継続は困難ということになるでしょうから,融資を受けるのではなく,これを機に事業を廃業したり,会社を清算したり,負債がある場合は倒産を判断する企業が相次ぐことが見込まれます。
一般の会社員やパート・アルバイトの方,個人事業主の方も,現在,コロナ被害で大変お困りです。例えば,会社から出社停止を求められたり,残業代・賞与のカットが行われ,収入が大幅に減少してしまった方が大勢いらっしゃいます。
月の収入や賞与の減少により消費者金融やカードローンの借金が払えなくなったり,住宅ローンのボーナス払いが払えなくなってしまう方が多く発生する見込みです。
借金が返済困難となる見通しとなっている方については,まだ余力が残っているうちに,今後の家計と生活のあり方について見直しをし,収入の減少が長期に続くことも想定し,半年後,一年後,このまま自力でやっていけるのかを早めに判断していくことが大切です。
返済不可能な借金問題の解決方法には自己破産があります(会社・個人共通)。その他,借金を減額する手続には民事再生や任意整理があります。
借金の返済が困難と感じられるのであれば,一度借金の整理について考えてみることは,今後のために必要なことです。新型コロナの流行は世界的な問題です。こうした緊急時に大きな影響を受けてしまったならば,一つの会社や個人が自力だけで解決するのはなかなか困難です。借金の返済が困難ならば,一度弁護士にご相談下さい。
オリオン法律事務所の横浜支部では,新型コロナウィルスを原因とした借金の返済困難の問題についてご相談をお受けしています。
借金問題について弊所でお力になれるのは主に会社や個人の破産や民事再生,任意整理などですが,今後,場合によってはそうした手続きが必要になるかもしれないとお考えの方は,ご依頼になるならないにかかわらず,手続きについてわかりやすく説明いたしますので,いつでも横浜の弁護士にご相談下さい。
弁護士 笹浪 靖史
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